佐々木朗希はなぜ決勝で投げない?医学的な観点から詳しく解説

佐々木朗希 なぜ投げない
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令和の怪物佐々木朗希投手。

そんな佐々木朗希投手が2019年の岩手県大会決勝に進みながら投げず敗退。
そういった起用法に世間で物議を醸していますね。

今回は、佐々木朗希投手はなぜ決勝戦で投げなかったのか?
そんな理由について医学的な観点から詳しく考察していきたいと思います。

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決勝戦でも温存され投げなかった佐々木朗希

佐々木朗希 なぜ投げない

2019年7月25日に行われた第101回全国高校野球選手権岩手大会決勝。
この試合で佐々木朗希投手は投げず温存し、花巻東12―2大船渡で敗れました。

しかし、あと一つ勝てば甲子園という大一番での佐々木朗希投手の温存。
バッターや野手でも出ることはなく、終始ベンチでの仲間の応援で高校野球を終えた佐々木朗希投手。

最後の最後に怪物の投球を披露させることないという決断をした監督の温存による敗退。
しかし、絶対的エースの温存で甲子園出場を逃すという前代未聞の出来事。

この判断を下した国保陽平監督には賛否両論が上がっています。

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そもそもなぜ?佐々木朗希は過保護に育てられているのか?

佐々木朗希 なぜ投げない

今回、佐々木朗希投手が決勝戦で投げなかった理由を考察する前に、そもそもなぜ?佐々木朗希投手はここまで過保護に育てられているのか?

それを知ることで、今回の「なぜ?投げないのか」という原因がもっと理解できるでしょう。

理由その❶ハイスペックな体格と能力は故障のリスクが高い

「そもそも決勝投げたくらいで致命傷になるのならプロに入ってもやっていけないでしょ」
今回の佐々木朗希投手の温存にこんなことを思う人も少なくないはず。

確かに、松坂大輔や田中将大などの日本の大エースに育った選手たちの高校時代を見てみると先発完投型。
といったように、非常にタフなイメージの選手ばかり。

そういう選手たちと比べてしまうと、そう気持ちは分かります。
しかし、この考えは間違いなのです。

その理由が佐々木朗希投手は「普通の高校生以上に怪我のリスクが高い状態」
だからなのです。

佐々木朗希投手は「190cmの体格で160kmを投げれる」
という日本人離れした規格外の体格が故に規格外の能力を出せてしまう。

それはつまり、普通の人が運動するよりも体に負担がかかるということなのです。

この数十年で食生活や医学の発達など、環境の変化で人間の骨格や靭帯の強度は変わらないのに、発揮されるパワーやスピードだけが桁違いに増えてしまいました。

車で例えるならば、タイヤなどの走ることに必要なパーツは全く他の軽自動車と変わらないのに、速度を出すためのエンジンだけが発達し、異常に速度が出てしまう状態。

そうするとタイヤが耐えきれなくなり減りも早いですし、他の部品も故障しやすくなるでしょう。

走り込み一つにしても、軽量級であまり速くない人が走るならまだしも、190センチとかで瞬発力あるアスリートが鍛錬目的で高強度のダッシュを高頻度に行うとあっという間にオーバーワークになってしまいます。

理由その❷まだまだ体は成長段階にあること

佐々木朗希 なぜ投げない

とはいえ、それらを支えるパーツは大人になるにつれ成長していきます。
つまり、160kmのボールを投げても耐えうる体になり得るということです。

しかし、高校生の段階ではまだまだそれらのパーツは成長段階。

佐々木朗希投手のような190センチを越える高身長選手は、他の選手よりも成長痛の期間も長く、体が出来上がるまで練習が満足にできない状態に陥りやすいです。

その成長段階にある高校生の時点でその成長と厳しい高校野球の練習。
それを両立させることは非常に困難なこと。

実際、佐々木朗希投手もその急激な体の成長が追いつかずに故障に悩まされた経験もあります。

「入学した時点では朗希の身長はまだ160センチ台で、中学3年間で20センチ以上伸びました。成長痛とうまく付き合わなければならず、腰も疲労骨折して投げられなかった時期が本当に長かったんです」

https://www.news-postseven.com/archives/20190716_1411176.html/2

 

4月中旬に骨密度の測定をした結果、佐々木の体は成熟していないことがわかった。大船渡の國保陽平監督は「163キロは出てしまいましたが、まだ球速に耐えられる体ではないということです」と説明した。それ以来、力をセーブする投球術を磨いている。

また、佐々木朗希投手のロールモデルでもある現在メジャーで活躍している大谷翔平投手も花巻東の高校時代も佐々木朗希選手と同じように高校時代には多くの怪我に悩まされました。

大谷翔平投手自身も、それが故に腰や下半身にケガを抱えがちで高校時代は殆ど投げていません。

160キロだしたのも高3の夏の最後のほうの試合。
練習試合も殆ど投げていませんでした。

理由その❸靭帯や骨は消耗品?無理をすると取り返しのつかないことに・・・

というのも、今回のここまで過保護に佐々木選手が育てられているもう一つの背景。
それは「靭帯や骨は消耗品」だから。というのが根本にあります。

高須クリニックの高須克弥先生もそう語るように、骨折や肉離れなど、故障の中には、回復可能な怪我もありますが、靭帯や関節(骨の付け根の部分)など一度怪我をしてしまうと回復不可能な部位も存在するのです。

つまり、学生時代の無理が一生の怪我にまで発展してしまうのです。

だからこそ、体が未発達な高校生の時点で自分の持ち得る全てのパフォーマンスを発揮してしまうこと。
これは非常にリスクで危険な行為とも言えます。

特に、「160kmという規格外のハイパフォーマンス出せてしまう」からこそ、その自分のプレーには慎重にならなければいけないのです。

では、具体的に佐々木朗希選手はどの部分の故障を恐れて投げなかったのか?
そんなことを今からお伝えしていきましょう。

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佐々木朗希はなぜ投げなかった?理由その❶股関節の違和感

佐々木朗希 なぜ投げない

実は決勝戦の股関節痛が再発していた?

今回、佐々木朗希投手が投げなかった直接的な理由。
それはどうやら昨秋の岩手県大会で痛めていた「股関節痛の再発」にあったようです。

でも、股関節ぐらいなら我慢できそう。
なんて思うかも知れませんが、股関節も先ほどお伝えした通り「関節部分」にあたります。

過度のストレスを与え続けた関節は軟骨などがすり減り、関節自体も変形してしまいます。
そのような状態になったら元の状態には戻らないと思っておいた方が良いでしょう。

そして、その関節痛を放置していると、関係のないように思われる肘にまで負担がかかります。

実際に、日本ハムの斎藤佑樹投手のプロ入り後の不調も大学時代に痛めた股関節から手投げになってしまい、肘も痛めてしまいました。

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2019.07.10

それほど、股関節痛は関節という損傷が回復しない部分ということに加えて腕部分までにも影響を及ぼす部分でもあるのです。

大船渡に近い関係者は「言われているような肩、ヒジの問題ではない。彼の場合は去年秋の県大会から股関節に不安があった。盛岡四戦で194球を投げた3日後の準決勝(一関工戦)で129球を投げた過程の中、そこの不安が出てきたんでしょう。そういった流れがあっての決断。監督はあの(決勝戦の)朝、突然判断したわけではない」と証言した。

実は股関節に負担がかかる佐々木朗希の投球フォーム

佐々木朗希投手の球速の秘密は柔らかい股関節を活かし、軸足を高く上げ、その反動で上手くボールに力を伝える投げ方。

しかし、この投げ方はノーランライアンのようなかなり理想的なフォームであると同時に股関節に負担がかかる投球フォームでもあるのです。

佐々木朗希はなぜ投げなかった?理由その❷肘の問題

佐々木朗希 なぜ投げない

肘の負担は計り知れない

また、そもそも股関節痛以外にも、「肘の負担」というのリスクは計り知れません。
この肘の負担というのがなぜ投げなかったのか?という間接的な要因でもあり、最も根本にある理由です。

投球における最大のリスクは「肘の靭帯の損傷」
この靭帯を損傷してしまうと、度合いによっては投手生命にまで影響を及ぼす可能性も十分あります。

日本におけるトミー・ジョン手術の執刀医としてもしられる慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の古島弘三先生はこう語ります。

「135キロ以上のボールを投げると、故障のリスクが2.5倍上がる」

そう前置きした上で、靭帯の損傷は実際には以下のこれらのリスクが複合的に絡まって起こると語ります。

1.多くの球数や短い登板間隔で投げる
2.球速へのこだわり
3.スプリッターなどの影響
4.肘に負担をかける誤ったフォームで投げる

その中でも、「2.球速へのこだわり」はもっとも肘に負担をかける要因と言っても過言ではありません。

佐々木投手の投球フォームは肘にも負担がかかりまくっている

佐々木朗希 なぜ投げない

また、先ほどお伝えしたように、佐々木朗希選手の速球の秘密はその柔らかい股関節を活かした投球フォーム。

腕をびしっと伸ばすタイプではなく、長い脚を高く上げることで反動をつけ、リリースの瞬間、長い腕をしならせ、肘をたたむようにしてボールを投げる。

あの独得のピッチングフォームが最速163キロという高い“出力”を生み出しているわけで、彼の最大のストロングポイントだと言えます。

しかしその“出力”をすべて受け止めているのが、佐々木朗希選手の肘です。
1球1球、肘に受ける衝撃と消費は他の選手とは絶対的に違うはずです。

しかも、大事な試合では、りきみも出る。
ひとつ間違えれば、靭帯断裂や骨折までいったかもしれません。

国保陽平監督が「今までで一番故障の可能性があった試合」
そう語る背景にはそんな理由があったからでしょう。

160キロを投げられることは素晴らしい才能である一方で、その分高校生の体に大きな負荷がかかっていること。
つまり、大袈裟なくらいのケアや球数管理といった配慮が必要になるということです。

甲子園大会は肘のリスク要因のオンパレード?

佐々木朗希 なぜ投げなかった

成長過程で骨格が固まっていない高校生です。

本来ならプロ選手よりも休ませた方がいいように思いますが、実際にはプロの先発投手は1週間に1度、涼しいナイターやドーム球場で投げることが多いのに対し、高校野球では勝ち進めば進むほど、連日、炎天下で投げなくてはなりません。

知識があればあるほど、いかに高校野球の連投は危険か?
ということがわかってくるでしょう。

実際に佐々木朗希選手のの決勝戦の登板回避に専門家ほど肯定意見なのが見受けられます。

大リーグロイヤルズの大屋博行・国際スカウトは「彼の全力で戦った姿も見たかったが、米国の高校野球なら連投になるこの試合で登板することはあり得ない」と指摘。過去に過度な負担がかかる投手を何人も見てきたというスポーツ評論家の玉木正之さんも「出さない判断は当然で、最低限の健康配慮だ。肩を壊してでも投げるという姿に感動してはいけない」。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/sasaki-koushien-toubankaihi_jp_5d3a575fe4b0a6d6373d605fより引用

 

「チームの甲子園出場がかかっていたわけですから、苦渋の決断だったと思います。でも、“十年に一度の逸材”を預かる指導者として、英断を下したのだと思います」

そう語るのは、かつて日本を代表するクローザーとして活躍した元福岡ソフトバンクホークスの馬原孝浩氏(まはらたかひろ・37)だ。

https://bunshun.jp/articles/-/13063より引用

 

ひじ、肩のケガに詳しい慶友整形外科病院(群馬)の古島弘三医師は「将来を見据えた英断で、他の学校の指導者も見習ったほうがいい。勝利第一にしてはいけない」と述べた。佐々木投手は21日に12回を1人で投げ切り、24日も9回を完封していた。連投について古島医師は「1試合投げて肩、ひじを壊すのではなく、休養が少ないとケガにつながる。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/sasaki-koushien-toubankaihi_jp_5d3a575fe4b0a6d6373d605fより引用

 

 

PL学園(大阪)のエースとして5季連続で甲子園に出場し、戦後最多の通算20勝を挙げたスポーツ報知評論家の桑田真澄氏(51)が25日、岩手大会決勝で花巻東に敗れた大船渡へメッセージをつづった。

今日の試合で投げない選択をした大船渡の国保監督と佐々木投手の勇気に、賛辞を贈りたいと思います。

甲子園を目前にした地方大会の決勝戦で勝つことは、監督・選手を含めてチーム全員の悲願だったと思います。

また、周囲からの期待もとてつもなく大きかったでしょうから、今回の決断を下すには大きな重圧があったと察します。
https://hochi.news/articles/20190725-OHT1T50351.htmlより引用

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佐々木朗希はなぜ投げなかったのか?この問題に正解はない

佐々木朗希 なぜ投げない

もう少し采配を上手くできたように見えるのもたしか

とはいえ、国保陽平監督の采配には外部から見ても疑問が残ることは確かです。

「勝てた試合で継投せず194球投げさせたのは異常」
「決勝戦に2番手、3番手投手でもなく、初登板の控え選手。更にその投手が打ち込まれても交代しない。」
「甲子園を目指していた戦いぶりなのに決勝戦に佐々木朗希投手を持ってくるようなプランを組めなかったのか?」

などなど….
素人が見ても?と思う決勝戦だったのは確か。

佐々木朗希投手を投げさせないこと異常に、投げさせないなりに外部も納得できる起用法をして欲しかった。
というのが世間の意見でしょう。

このようなものを見て、「佐々木投手は本当は決勝で投げたかったと思う」
そんな精神論で語りたくなる気持ちも分かります。

しかし内部の事情は内部にしかわからない

佐々木朗希 なぜ投げない

準決勝までの戦い方を見ると佐々木投手の連投を気遣いながらも甲子園(優勝)
を目指していたのは明らかな気がします。

だからこそ決勝戦で佐々木投手が出場しなかったことにみんなが驚いて騒ぎになりました。

しかし、その不可解な采配にはきっと内部にしかわからない事情があったはずです。

所詮、外から見てる人は内部を知りません。
批判的意見は 自分の欲望のゴリ押しにしか過ぎません。

それらしい意見を言ったところで、「佐々木投手を甲子園で見たかったという自分の感情」
を優先した意見に過ぎないのです。

佐々木朗希 なぜ投げない

もし仮に国保陽平監督の立場に立って考えて見たら良いのではないかと思います。
親御さんからおあずかりしている野球部員の1人であろうが、これほどの今まで見たこともないような“大器”

であれば、客観的には、日本の球界、いや世界の野球界からの「あずかりもの」
と考えたって、大きく外れてはいないでしょう。

そんな立場だと、軽々しく「投げるべき」などという決断はできないことでしょう。

国保陽平監督は指導者の職責において,チームの勝利と佐々木選手の将来を天秤にかけて,最善と思われる選択をしただけのこと。

批判するなら、国保陽平監督よりも超過密日程を敷いている「高野連」を批判すべきではないでしょうか。

今回のことを教訓に、高野連も真剣に今回のような悲劇が起こらないように真剣に日程について考えていってもらうことを願うばかりです。

大船渡の皆さんは全力を尽くしたと思います。お疲れ様でした。
佐々木朗希投手を始め、次のステージへ進む方は、成長した姿が見れることを楽しみにしています!

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2019.06.24
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